先日の World IPv6 Launch はいかがでしたでしょうか? IPv6 環境で過ごしてますか?
まだまだだとは思いますが、少しずつ IPv6 化です。
6to4
今回は 6to4 というトンネルの方式で IPv6 通信の環境を整えてみようと思います。
Windows パソコン側に 6to4 設定を入れることも出来るのですが、今回はルータに設定を入れて、LAN 配下を一気に IPv6 化です。自動的に使用するルータは YAMAHA の RTX1100 です。RTX1200 でも RTX810 でもできるとは思います。
ルータ設定
ルータ側の設定を行いますが、先に IPv4 のアドレスを IPv6 のアドレスに変換しておきます。
ルータの IP を www.google.com (74.125.235.180) として勝手にお借りして設定例を作ってみました。74.125.235.180 を IPv6 に変換するときはこんな printf 文で変換するようです。
# printf "2002:%02x%02x:%02x%02x::1\n" `echo "74.125.235.180" | sed -e "s/\./ /g"` 2002:4a7d:ebb4::1
実行すると、2002:4a7d:ebb4::1 が表示されました、これが 6to4 で使用する IPv6 のアドレスになります。
- プレフィックス: 2002:4a7d:ebb4::/64
- IPv6 アドレス: 2002:4a7d:ebb4::1/64
コレを元に RTX1200 へ設定を入れ込みです。
今回は RFC3068 で定義されているパブリックな 6to4 ゲートウェイを使うので、トンネル先は 192.88.99.1 を設定します。このアドレスは any cast で接続できて世界中に同じ IP アドレスで稼働していて、一番近いゲートウェイに繋ぐことができます。不思議なおまじないアドレスですね。
ipv6 lan1 address 2002:4a7d:ebb4::1/64 ipv6 lan1 prefix 2002:4a7d:ebb4::/64 ipv6 lan1 rtadv send 1 ipv6 lan1 rip send off ipv6 lan1 mtu 1280 tunnel select 5 tunnel name IPv6(6to4) tunnel encapsulation ipip tunnel endpoint address 74.125.235.180 192.88.99.1 ipv6 tunnel rip send off ipv6 tunnel rip receive off tunnel enable 5 ipv6 route default gateway tunnel 5
ipv6 lan1 rtadv send1 行があるので、Windows パソコンを LAN1 側に繋いでおけば、自動的に DHCP のような感じで IPv6 アドレスが割り振られます。簡単ですね。
今度は Windows XP 側です。通常は IPv4 よりも優先度が低くなっているので、強制的に IPv6 アドレスを優先させる設定を Windows XP 側にいれます。
# netsh interface ipv6 show prefixpolicy Precedence Label Prefix ---------- ----- -------------------------------- 5 5 2001::/32 10 4 ::ffff:0:0/96 20 3 ::/96 30 2 2002::/16 40 1 ::/0 50 0 ::1/128
netsh interface ipv6 set prefixpolicy ::1/128 50 0 netsh interface ipv6 set prefixpolicy ::/0 40 1 netsh interface ipv6 set prefixpolicy 2002::/16 30 1 netsh interface ipv6 set prefixpolicy ::/96 20 3 netsh interface ipv6 set prefixpolicy ::ffff:0:0/96 10 4 netsh interface ipv6 set prefixpolicy 2001::/32 5 1
こんな感じで Label 値を 2 → 1 へ変更します。
これで 6to4 トンネルを経由する形になります。遅いですが。。。(^_^;) テスト的にこのような環境を導入するのもいいかもしれません。
ご注意いただきたいのは NAT 的なものが無い点です。NAT 変換で LAN 配下の端末は見えなくなりますが、IPv6 の世界では NAT しないのが普通。外側から内部が丸見えなのです。ファイアウォールでしっかりフィルタをする必要があります。